バネの寸法、特性の実測と使用器具

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専門用語解説 用語・簡単解説


バネの測定/寸法検査、特性の実測

製作後の各寸法や特性の実測方法は以下のような器具(機器)を使い行う。

  1. ばねの線径 材料の太サ マイクロメ−タを使用
  2. コイル径 マイクロメ−タ又はノギス
  3. 高さ、自由長 通常はノギスを使うがばね試験機を使う事も
  4. 巻数及び方向 目視で確認又は、コイル部が多く密着で巻かれるものはその密着長÷線径から巻数を求める。方向は時計回り、反時計回りを同じく目視で確認
  5. ピッチ 隙間をノギスで計るが非常に難しい時には計算で求める但し、この指示は等ピッチ形状で通常は無い。
  6. 荷重 試験機を用いる
  7. ばね定数(スプリングレート)の測定 試験機
  8. 初張力 試験機 指定はほとんど無いが引きばねの荷重が合わずの時にはまずこれをチェックします。
  9. コイル外側面の傾き(直角度) 直角な軸、シックネスゲージ

スプリングの検査測定 1マイクロメータ 2ノギス
バネの測定、検査機器 3デジタル式試験機


補足説明

  1. このチェックは当然製作の前に行い成形前にマイクロメ−タを使う。成形後のスプリング測定の際にできる場合もあるが形状によってはノギスしか使えず検査が難しい場合がある。全長やコイル部の0.1〜0.2ミリ程度の違いは公差の範囲で影響はあまりでるところで無く、計算式を見ればわかるように材料は0.1ミリ違うだけで強弱に影響がかなりでてしまうところで、他の寸法が合っていてもこれを間違えると強サに関しては全く別物になってしまいます。成形後にチェックをするのならなるべく加工変形の小さい箇所で計らなくてはなりません。以前、個人のお客様に押しばねを納入の後に指示の線径と違うのでは?と問い合わせがあって残っている見本品を検査、間違いはありませんでした、お相手はデジタルノギスを使用と言っていましたがマイクロメータがやはり正確で良いでしょう。太い材料は0.1ミリ単位がほとんどでしょうが、1ミリ以下には例えば0.45mm、0.55mm、0.23mm、0.25mm、0.26mmのような中間サイズが存在し又、多く使用もしている為、次のコイル部も含めて計測可能であればマイクロメータを推奨します。
  2. 普通は外寸で行う方法が多いが必要に応じ内寸を計る。引きばねはフックが両端に付く為に内寸は難しくほとんど外寸を測る。デジタル式のノギスも精度が良いものですがマイクロメータが使えるならば今のところ、やはりこれを使う方法が正確にできると思います、巻き部外寸を計り線1本分マイナスで平均(中心)径、2本分マイナスで内径になる。
  3. 特に精密なバネの検査には、試験機を使うことも有り。引きバネの自由長はフックを含めて両方のフック間の内寸
  4. 少なければ目視、多い場合は密着部の長サ/線径で巻数が求められるが公差によって巻数が多くなると誤差が生じる。方向は巻きはじめから時計回りと同じで右、反時計回りは左の判断とする。
  5. 隙間の数値に線1本分をプラス、但しピッチが非常に小さい時や細い線を使用で製作の場合は測るのが非常に困難なので他の寸法より計算で求める方法にするがこの指定は通常することは少なくコイル中心径の1/2以下かどうかを設計者が行い過大評価になっていないかを確認する。1/2以下でないとピッチ過大の評価になり耐久見込が出ずのこともある。
  6. 指定のたわみ量を圧縮又は引張れば正確に求められる。
  7. 任意のP1を計り、次にそれと同じだけのたわみを加え2を計る、P2-P1/L2-L1がばね定数(P=荷重、L=たわみ量)
  8. ばね定数の測定と同様にP1と2を計り、P1−(P2−P1)が初張力
  9. 直角な軸に当て軽く回しながら隙間の最大箇所をシックネスゲージを使用、逆側も同じ様に計る。

器具で測る時にはバネに対して平行にあてなければならず更に力加減も重要で、表現がおかしいかもしれませんが固い(強い)ものは測りやすいですが柔らかい(弱い)ものは力加減が難しい事があります。例えばノギスを当てて若干押してしまうや反対に引っ張ってしまう事の無いように慎重に行なわれなければなりません。

参考:ピッチ計算式 両端末の@研削処理有り A無し
@{自由高−d× 座巻き数}/Na  A{自由高−d×(座巻き数+1)}/Na  d=線径 Na=有効巻き数


A 圧縮チェック項目  B 自由長チェック
C トーション アームの計り方   D 巻数チェック
BのNt=巻数で自由長はL CのトーションスプリングのアームはAのコイルの中心からです、実測はBのコイル部を含めて測りそれからコイル外寸の半分をマイナスすればAの値になる Dは6が全(総)巻き数で4が(2〜5)有効巻き数、つまり一般的には総巻-2が有効巻、稀に両端に座が2巻ずつの形状も有りその場合は-4が有効になります。


計算値と成形後のバネの実測値

計算で求める特性が指定の仕様通りで製作の場合であっても必ずしも、計算値=バネの測定の実測値とならずのことが多々有ります、又ばね定数の測定は全たわみの30%〜80%で行うのが正確で従って製作依頼の際は公差が必要なのと、参考として良い箇所はその指示をします。特に密着巻は無荷重でも初張力という力があってこれには範囲があって近似値にならずの事が多々でてきます。寸法も特性も厳しい値がどうしても必要ならそうせざるしかありませんが、厳しいだけの公差を指定するのはあまり意味が無く、必要な箇所のみにして安定性能の保持(耐久、長期の作動状態)と極力無駄を無くすようにする、これが大事です。

実際にあった事例-1

検査だけしてほしいと依頼があって図面と数個の圧縮ばねが送られてきました、2点荷重と定数の指定も有りです、先ず寸法のチェックをすると全く問題無く良品です、次にこの特性のチェックをしたところこれも良いのですが圧縮量が多いようで2回目の計測では長さが0.5mmほど減少してしまっています、これは全たわみの80%以内で作動させるところを80%を越す圧縮が原因であろうと推測、実際80%以内では何の問題も有りませんでした、寸法にも特性にも厳しいだけもよくありませんが全く公差がないのも良くないので付けるように報告。

実際にあった事例-2

この事例はちゃんと説明をしない方が悪いのですが近くな為、注文する際や完成品を当社に取りに来られる方がいます、特に押しバネは機械から出てきたものは完成品と思い込んでしまう様で手に取って押したり、引っ張ったりする事があります、この状態ではまだ半完成品で後に熱処理等の工程がまだ残っています、もちろん説明して手に取らないようにしてもらっていますが、説明のタイミングが遅いと早速やってしまう方がいます、それを元に戻されてしまうと検査が大変になってしまいます、この事は完全に完成品であってもなるべくしない様にしましょう指定のたわみ量以上の変化を加えてしまうこともありえます。


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