用語解説 コイル部の密着強さ

spring pretension

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線が互いに密着しようとする力で密着巻バネの特徴、この力を超えるまでコイル部は伸びない


密着巻バネのコイル部に存在する力

コイルが密着で巻かれる形状のばねは、無荷重状態においてもそのコイル部では線どうしを互いにくっつけようと力が常に働いています、つまりは接触しようとする力が存在するから接しているのだと言えます。バネの初張力とはこの密着しようとする力の事で代表的種類の引張(引き)バネの最大の特徴で、少ないストロークで荷重を稼ぐことができます、従って巻きの線間に隙間(ピッチ)がある形状、代表種類の圧縮(押し)バネには存在しません、設計記号はPi。加わる強さが初張力に達するまでコイルは開かずたわみは生じません、Piの強サ以上の力が加わえられるとだんだんと巻き部は開きだし、たわみが生じてゆきます。以上の様に密着させる強度の事で、これにはある程度の範囲が有り、簡単に言葉にすれば“軽く(弱く)又は強く接している”と表現できる様にある程度の強度の違い、範囲が存在。材料や熱処理による影響が大きく一定にすることがとても困難で設計の際に計算で求めた値と成形完了後の実際の測定が近似値にならなかった場合の原因の1つがこの強度であることが多々あって、特性を大きく左右してしまう要因で下の図−1の斜線の範囲の両極端な値から指定しなければならない時は設計者と製作者との協議が必要、強サは特性(荷重、定数)の指定が通常で特に必要でなければバネの初張力は指定は無いのが一般的でJISにおいても±15%程度の公差までは認められています。

線間に隙間があればPi=0

ばねの初張力 有無  左の写真左側、バネのコイル部に無荷重状態であっても存在するちから。写真はフックが付いて引張り荷重して使用するがフック無しでも密着していればPiは存在。以前、圧縮ばねにフックを付ける依頼が有りました写真右、用途はわかりませんが引っ張る使用であればPi=0になり、この場合各計算は圧縮ばねの計算式が適用されます。

熱処理との関係

初張力は熱処理を行うと低下してゆき、その処理による残存率については、熱処理のページを参照して下さい。製作工程の際には、低下量を考慮しなければならず又、これが特徴故に積極的に利用されることも多くあって、残存率の高い初張力のバネがどうしてもほしい場合は低下量が少なくなる様に低い温度(又は短時間)で処理したり極稀には行わない事で残存率低下を抑える事も有ります、その様な場合、使用時には引張る長サ(たわみ)を少なくするような考慮が必要で適切な熱処理を施す時と問題なく引張れるストロークに違いが出る為に上で述べたように設計者と製作者と、たわみについての協議が必要です。反対に指数(平均径/線径)が大きくなるほどこの強度は小さく(弱く)なるが、 線どうしをくっ付けて巻かれてある以上、ゼロや極ゼロに近い値の製作は非常に困難です、材料によってはゼロに近いものは可能の様ですがやはりPi=0にするのなら隙間を開けるピッチ巻にするしかありません。

PiとP関係
上の図のように力が加えられてない状態でもPiが有り、たわみ量における力には、初張力が加わる事が押しバネと大きく異なる所です。
一般にピアノ線、硬鋼線のPiは、下の図−1の斜線の範囲としステンレスの場合は10〜15%程度減、りん青銅、黄銅、洋白は、50%程度減が適切で、前にも述べたように計算と実測が異なってしまう1つの要因の為、斜線の両極端からの指定はなるべく避けましょう。
初張力図ー1
Pi=πd3τi /8D 図より求められるが、経験式のPi=Gd4/255 D2 この計算式を使っても可。

計算での求め方は 基本計算式  問題と解答 例題ー6 例題ー7をご覧下さい。


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